たまには、文章だけで思いを綴らせてもらいます。
テーマは「忘れられない体験、乗り越えた瞬間」
高校時代陸上部に所属していた僕は、大会総合優勝のためのポイントゲッターとして活躍していた。
中でも「槍投げ」は実力を発揮し、県大会入賞を果たしたこともあった。
その槍投げは、実にタフガイが集まる種目で、奥深い。
槍が手元から離れ、着地するまでの間、みな、これでもか!
というくらい叫ぶ。
「どぅぅぅぅあらぁーーーっしゃーいっ!!!!!」
「ぶるぅぅぅぅぁっだぁーーーーーーい!!!!!」
「あぺらぱっ」
といった感じに。
飛距離を競うのではなくヘルツ(HZ)で順位が決まる。
実に奥深い種目なんです。
僕はそれに断固拒否感を持ったため、
いかに声をださずに飛距離を出すか、という一点に集中した。
でもかならず「フッ」という吐息が漏れてしまう、そんな自分をいつもふがいなく思い、
大会終了後、一人トイレで泣いたりもしていた。
アホか。
ええ、アホです、暇です。雨のアルマティ。モウスコシ続けていいですか?
その槍投げにはもちろん「女子の部」というものがあって、可憐な乙女たちが
、すごく可憐な乙女達が、ユニフォームがはちきれんばかりの筋肉とともに槍を持つ。
その出で立ちは、ギリシア神話に出てくる神々のようで、神々しかった。直視できなかった。「ふん、どぅばっ!」と叫ぶ神々を直視出来なかったんだ。
もしそうしたら、メデューサの呪いの様に石化してしまうのではないかと恐れたからだ。
いやしかし、愚かかな、人間の欲望は尽きることはなく、怖いもの見たさに僕は神を直視した。
「ふん、どぅばっ!」
の「ふん、」と神が叫んだ瞬間。
神の脇の下からのぞくメデューサが僕を捕らえた。
僕は石化した。
知らなかったんだ、女性のメデューサの存在を。
知りたくなかったんだ、その生命力を。
石化した僕は、神に「ナイス、槍投げでした」とか「お疲ッシタァ」とか気の利いたことが 言えなかった。
それだけが陸上に対する心残りだといっても過言ではない。
旅は、そんな僕の傷を、ゆっくりとゆっくりと癒してくれた。
僕よりすね毛の濃い女性。
思わずフレディ!
と呼びたくなるくらいの腕毛を携えた女性。
こち亀風の眉毛の女性。
少しずつレベルが上がっていく中で僕の経験地も確実にたまって行った。
そして昨日、
僕は出会ったんだ、神様に。
口ひげをはやした、神様に。
その瞬間、僕は許された!と思った。
全てのしがらみから開放されたんだ!と 悟った。
今なら、言える。
槍投げのメデューサに。
「いい毛してるね、トリートメント何使ってるの?」
と。
ここまで読んでくれてありがとう!
アタカマ砂漠マラソンにチームで出てみて。
5 年前
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