2008年7月12日土曜日

6月30日~7月3日

ご無沙汰しておりました ブログの更新です
まずは 「カスピ海のその後」について

・・・・

「大体成功!」

以下 その詳細を(長いです)
カスピ海を貨物船で渡るために待つこと8日間
最終日の日曜日、あきらめて飛行機のチケットを買いに行こうとしたときに
見計らったかのようにオフィスから電話がなる
「今日の夕方に貨物船が港に着く、君に一番に買ってもらいたい」
うれしさのあまり歯も磨かず、顔を洗うこともなしに、服をきてオフィスへと向かった
到着後、とんとん拍子で話がすすみ、三種類あるうちの一番いい部屋を、オーナーの配慮で貸切にしてくれた。
二十数年貨物船のチケットを取り扱っているが、日本人は初めてだと言われた

そして荷支度をして港へ
乗船手続きが始まると、みな我先にと並びだす。
僕はあとからならぼうとのんびりボクシングの観戦をしていた
そして手続きが始まる
パスポートを見せる
男はやけにパスポートをまじまじと見つめる
きっとロン毛からハゲへの変化についていけてないのだろう
それより試合だ、試合 と思っていたら
男がいった

「ビザ、プロブレム」

試合の観戦に熱が入っていた僕にはその言葉は認知されない
男は語気を強めていった

「ユーキャンと ごー BAKU!」

そこでやっと言語として、その言葉が頭に解釈された
「なぜ?」
といたって冷静に聞き返す
その後のすごい長いやりとりをまとめると
ウズベキスタンはタシュケントのアゼルバイジャン大使館で取得したこのアゼルビザは
大使館員のミスで日付に問題があった
そのミスを必死で取り繕うと説得するが、男はNO!というばかり
いつの間にかイミグレにいるみなが集まりだした
ロシア語と英語が話せる黒人が男の言葉を英語にしてくれた
もし仮にバクーへ行ったとしても、下船(入国)はできない、そして君はアクタウに戻らなければならない
しかし、その戻りの船を待つ間に君のカザクスタンの滞在期間は間違いなく終了する

「ビッグ プロブレムになるぞ」
といわれた。
それでも構わないから乗りたいと主張するも、結局許可が降りなかった

船は無常にもバクーへ去っていった

普通はあまりの事態に呆然としたり、悔しがったり、何かしらの衝動にかられるのだろう。
ぼくにはそれが欠けていた。ただ冷静に誰もいなくなった真っ暗な待合室で次の手を考えていた
朝までまって、町へ戻り、オフィスへ行き、そのあとフライトのチケットを探そう。
アゼルはやめてグルジアにいくのだ、と
目が覚めたら朝日が昇っていた
カザクの通貨はすべて使い切ってしまっていたので、とてもじゃないがタクシーは使えない。仕方なしに港から町までのおよそ8キロを徒歩にて進む
オフィスのスタッフたちは僕がここにいることを目を丸くして驚いた、なぜここにいるのかと
事情を説明すると僕のことを心底同情し、払戻金をくれた
涙はまだ出ない。やらなければならないことがある
「一刻もはやくグルジアに飛ぼう」
それだけしか頭になかった
もうここに残りたくなかった
4日の零時のチケットを購入した
2日の零時のチケットもキャンセルが入ったら購入できるよう手配した
あとするべきこと、それは出発前に両親と約束をした、出入国の際の連絡だ
母からはほのぼのとした生活の報告と、カスピ海を無事に渡れたかと問うメールが来ていた
悔しいが前を向かなければならないと自分に言い聞かせ、母にもそう告げる
一通り仕事を終えると急に空腹を感じ出した。そういえば昨日の昼食からなにも食べていなかった
スーパーへいき食料を買い込む
帰りにオフィスのオーナーにいろいろと良くしてくれたことに対する礼を伝えにいき再びぼろ宿へ

隣接された隣のうらびれたカフェからは今日も時代遅れのヒットメドレーにあわせ、踊り叫ぶ女の声が聞こえる
それとは対照的に静かな部屋で一人食料をむさぼり食う
腹は満たされた
そしてタバコに火をつける
ゆっくりと深く吸い込んだその瞬間
安堵を覚えた体から気泡のような感情があふれ出す
悲しみとも怒りとも、後悔ともいえる、行き場のない泡のようなものが腹のそこから次々と
体からすべて搾り出すため、
あしたを前を向いて進むためにも
無理やり泣いた、ただただ泣いた。


・・・てないきさつで、結局バクーいけませんでしたぁぁあ!
大使館員のおっさんを怨んでも仕方ないし、ミスに気づけなかった僕も悪い
さすがにその日は一日やさぐれていましたが、今ではすっかり元気だし、いい笑い話になったと思っています
これからたくさんの旅人が情報を得て、貨物船でバクーへを渡れたとしても、誰も僕の記録は敗れないだろうし
フライトまでの数日間は再びカスピ海とすごしました
カスピ海のばかやろーー!と叫びながらパンツ一丁海にダイブ
僕の成分バクーへ届け!と願いながらおしっこしてやりました
メッセージ入りボトルと同類項としてとらえてもらえたらロマンチックですね
てなかんじで次はグルジアです!!
気持ちの良いカスピ海
薄気味悪い、僕の部屋
舞い上がった瞬間
港から町まで朝日と追いかけっこ


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