2009年3月10日火曜日

カウントダウン 12



月曜日。
9時起床。
ゆっくりとストレッチをしてから
コーヒーをいれて、一服。

フラットメイトのアキと昼ご飯を作る。
オリーブとバターと野菜を炒め牛乳を入れた簡単なパスタを大盛りで食べる。
誰に見られるわけでもないし、フォークの使い方は外で出来れば良いと思っているから
効率性と豪快に食べれる心地よさを求めて、いつも箸を使ってすすっている。

行儀の悪い習慣がついてしまった。

シャワーを浴びたあと、テーブルに向かい短短期的な予定表を簡単に作る。
帰国までの日にちを有効に使うためだ。
購入しなければいけないもの、
送らなければいけないもの、
受け取らなければいけないもの
会わなければいけない人
返信、手紙を書かなければいけないもの。

「いけない」と書いたのは、あくまでもwantであって義務ではない。
平日と、祝日、日中と夜のどの時間帯にどれを行うかを大ざっぱに振り分け、

次に、自分のための時間を割り当てた。
継続して行うもろもろの行為を再確認するように、そこに書き込み
計画表を最後に作るというタスクを決めたら、終了。

いつもなら学校に行ってる時間だ。

外は風が強く寒そうだが、雲間
から見える青の濃さがボクをウズウズさせたので

沈めるために服に着替える。

ロンドンで生活するために購入した、
ブラックの細いデニムとマーチンは
今日は必要ないとおもったから、
この旅をともにした、

リーバイスのインディゴデニムと、Merrellのシューズ、パタゴニアのジャンパー姿。

引っ越し以来クローゼットの中に眠りっぱなしだったジーンズを目にしたら
イメージの中での其れ以上に、色あせていて、でも決して汚いわけではなく、
むしろうっとりさせられた。

ゴアテックス使用のウォータープルーフのシューズは、
最近では雨をはじかなくなっているような気がするけど、
気のせいかな。

きっと隙間から雨が侵入しているせいだ、
と靴を擁護し、はき続けてきた。


ボクは基本的にジーンズは破れてからしか買わないし、
Tシャツやパンツなども、伸びてからしか新しいものを買おうとしないし
出発前は自分の靴がぼろぼろで履けなくて、
兄貴の靴をくすねた人だけど、
それは
愛着なのか、だらしないのかは、よくわからない。
両方なのかな。
もちろんそれなりの服も持ってるけど
全体的にモノを多く持っていない。
はっきりしているのは、
購買の意欲は、
そういう状況になったときにしか基本的にわかないということ。

話それちゃった。
言いたかったことは、それを目にしたときの懐かしい感じが妙に心地よく、
それを考えていたときに連想したのが、
帰国後の家族や友人たちとの
再会につながる感覚なんじゃないかなと言うこと。

ようは、ウキウキしたんですね。

カメラ持って、自転車またがって
まだ行ったことの無いところを見てみようと走り出す。
別に急いでるわけじゃないから、
通行人や、車の迷惑にならないように
タラタラ、ゆっくりと、
止まっては写真とって、
よくわかんない花や木を見て、
子供と戯れて、
気づいたら、テムズ川に行き当たる。
川上に移動していたようで、
ロンドンブリッジや、観光客が居る方とは違う、

静かな川辺。
西の方に目を向けると、
その賑やかなロンドンの存在を感じさせる風景が
蜃気楼のように漂う。

詩的な感じで表現したのではなく、
最近、「眼鏡」

を無くしたのが主な理由です。

2時間くらいサイクリングを楽しんだ後、帰宅。

急な予定が入り仕度。

「なるべく綺麗な格好してきて」

とだけ
言われたから、ボクなりにベストを尽くして
待ち合わせ。

連れて行ってもらったのは、

South Kensington 駅
から程なく行ったところにある

「Serpentine Gallery」

Rebecca Warren

という彫刻家の
プライベート ビューだった。

そういうことか、
どうりで周りの人たちは
なんかみんなポッシュな雰囲気、
いわゆるセレブオーラが漂っているのね。

良かったーああーよかったー

そのままパタゴニア着てこなくて。
ジャケットに毛皮のマフラー、どっかのブランドのニット帽、
ほぼすべてをフラットメイトから借りてオシャレしてきて良かったー。笑

この彫刻家、2006年にターナープライズにノミネートされた、
現代美術界でも有名な方らしかったです。

ああ、うん、なるほどねー。
粘土が不可思議な姿に変えられた
それらの作品をあごひげ触りながら
意味ありげに眺めて堪能。

芸術は、コトバ、色、形、音を手段とした、変革への挑戦。
専門知識に乏しいボクだけど
今の現代芸術のトレンドの先端を
無い頭で感じて
全部見させてもらい、勉強させて頂きました。

後半は、作品より
そこに居る人たちに目がいってしまいこっそり
人間観察。
半数の人たち、
全然作品みてなくて、
セレブなかんじで、上品そうに会話してる。
ボクは見た限り唯一の日本人男性だったから、
意味ないけど
新進気鋭の若手アーティスト演じて、
背筋をただす。

いや、もちろん、だれも見てないけど、
ほら、楽しそうだったから。

こういう場も久しぶりだったので
満喫させてもらいましたが、
疲れる。


 

帰りに、ピカデリーの中華街で初めて中華を食べた。

ボクは中国に居たときもそうだけど
基本的に初めての店では、
「麻婆豆腐」を頼むようにしている。

うまいかどうか、自分の舌が覚えているから
比較になる。

他にも野菜炒めや春巻き、久しぶりに、青島(チンタオ)ビール飲んだけど

どれもこれも
ホント、


おいしくなかった。



こんなのに一人15ポンドも払うくらいなら、
自分の好みで作る麻婆のがウマいわ!

と、
愚痴をこぼしつつも楽しい食事にはなったので、良しとします。

一つ気がかりだったのは、会計のとき、
同行したイギリス人の友人が当然の様にチップを置いたこと。

普段、外食する際や
pubで酒を頼んだ時、チップは払うけど、

それは、イギリスのルールで、
この中華街の、一つの小さな大衆中華料理にも適応されるのか?
と。
周りに居る、中国人客たちは、
少なくとも先に帰った、人たちは払っていない様子。

外国人は、払うもんなんですかね?
ちゃんとしたレストランだったら、ビルに詳細が書かれていて、
サービス料が、含まれていたり、
いなくとも、
普通においていけるけど、

この微妙なお店は果たして。。

少し悩んだあげく、


原点回帰して、

チップとは、
客に対してのサービスの対価

だと割り切り、
満足しなかったボクは、


結局払わなかった。

間違いとわかったら、次回からは、払います。

帰り際に、スタッフがドアに一番近いところで賄い食べてて、

ご飯こぼしながらボクに、
笑顔でサンキューて言ってくれた。


あ、やっぱり、払わなくてよかったな、

て自分を納得させて、
帰宅。

12日目終了。

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